【開催まであと5日】デザインとバランス
「音楽家の肖像」The VIBES展 ディレクターのサカヨリです。
広告業界界隈、イラストレーターやカメラマン、コピーライターにデザイナー…
この横文字の肩書き(笑)の業界って、そこにいない方からするととても華やかでかっこよくお洒落で優雅な世界に見えるようですが、実はとても地味な裏方仕事がほとんどです(笑)
その中でもデザイナーは特に地味な体力仕事ではないかと思います。通常の仕事では名前が表に出ることもまずありません。(一部のスタークリエイター除く)だからこんなに毎日自分がディレクターとして名乗ってネットに発信しているのは異例中の異例です。
コピーライターはキャッチコピーや文章全般を。カメラマンは写真を撮る人。イラストレーターは絵を描く人。わかりやすいですね。TVや書籍・雑誌や広告やパッケージに作品が載っていれば、名前が見えないとしても「その人そのもの」が強く出るお仕事です。
しかし、デザイナー=デザインをする人、これがなかなかわかりにくいようです。
絵も写真も文章も、生きていると普通にやったことがあると思いますが、デザインっていう概念は日常生活の中にあまりないのでわかりにくいんでしょう。うちの母親もいまだに私の仕事を理解してないと思います(笑)
デザインって簡単にいうと
「伝えたい様々な情報と条件を整理整頓してわかりやすくバランスをとる」という作業です。
いつ、どこで、どんな風に、誰に、何を伝えたいのか。全部を見渡してバランスをとる。
どうやれば思ってるような形で伝わるのか、そのために必要なものは何か、と考えます。
だから自分の独りよがりのアーティスト気取りで何かを作る、というのは実はデザインとは真逆で、むしろ「想いを誰かに伝えるお手伝いする」のがデザインなんですね。
そういう意味で「デザインはやさしさ」だと考えていますが、手取り足取りすべてを説明してしまうのもダメで。単に美しくすることも必要だけど、「え?」と考えてもらったり、「お!?」と驚かせたり、少しのひっかけや意地悪や冷たく突き放す、なんて技を使うとより興味を持ってもらえる、ということもあったり。このバランスがとても難しい。
そんなノウハウを活かしたうえで、今回はディレクターとして「ただ絵を並べる」だけににならないようコンセプトを煮詰め、会場を「デザイン」しています。
ちゃんと伝わるだろうか…観た人になにか残せるだろうか…ドキドキです。
「音楽家」の肖像がたくさん並びます。
でもそれはとっかかりであって、真意は「人間の感情を画で見せる」展覧会です。
だから本展のタイトルは「The VIBES」を一番大きく掲げています。
ぜひ、ギャラリーに「私たちにもある感情」を見にきてください。
そして画の中の彼や彼女たちとしばし目を合わせて対話してみてください。
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