【作家紹介】信濃 ハ太郎さん

「音楽家の肖像」The VIBES展 ディレクターのサカヨリです。


信濃さんの画は雄弁で文学的な香りがする。


ザクッとした手触りのタッチは荒いのではなく、力強く優しい。

対象への細かな観察と対話を繰り返し、丁寧に角度を変えながら描写を積み重ねて、一番濃くて深い部分を凝縮して暴き出していったような、それは逆に言えば、余計なものを削ぎ落として洗練させていく作業でもあるのではないかと感じる。

あるいは、派手で遊びを効かせた陽気なイタリアンファッションではなく、上質な素材と絶妙なバランス感でコーディネートされたブリティッシュトラッドスーツを着こなすような紳士的なダンディズムにも似ているかもしれない。


その語り口は優しく知的で、しかし容赦ない。

そんな強さと穏やかさの同居した感触は信濃さんの声や話し方から受けるものと一致する気がするのだ。

(個人の感想です。)


そんな信濃さんが描くのは

知的で前衛的な怒れる男

& More…?

誰がどんな顔でそこにいるのか、ぜひギャラリーで確かめてください。


信濃八太郎(しなのはったろう)

イラストレーター。1974年生まれ。日本大学芸術学部演劇学科舞台装置コース卒業。東京イラストレーターズソサエティ会員。

いつでも音楽に助けられて絵を描いています。絵と違って目に見えないから良いのかな。新しい音楽と出会うといつでも心が踊りだすし、中学生の頃聴いてショックを受けた音楽に、今でも心揺さぶられます。

先日、粗大ごみの日にマンション前にあんまり素敵なスピーカーが捨てられてるので、は!っとして、(ごみ処理)B券記載の部屋番号を頼りに持ち主のおじいさんを訪ね、譲ってくれないかお願いしてみました。

「もう音楽聴かなくなっちゃってねぇ。。50年前に大枚叩いて買ったんだよ。音はとても良いよ。使ってくれたら嬉しいよ」とのこと。これも音楽が繋ぐご縁。古いスピーカーから新しい音楽が流れきて、今日も白い紙に向かってます。

『W座からの招待状』(wowow) 

古い素敵なスピーカー